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[第74回] 中国の住宅事情(5)


連載企画「中国の住宅事情」の第5回目です。

前回は間取りに関する用語をまとめました。
今回はスケルトン住宅の内装過程についてご紹介いたします。

内装会社の業態

内装の第一歩は設計からスタートします。
日本と同じように、工務店、設計事務所、インテリアデザイン会社に分けられます。

中国語

日本語

中国と日本の違い

装修公司

工務店

受注から設計、施工、メンテナンスまでの全般行うところは同じ。
但し、日本の工務店は家を建てることもあるが、中国の場合はスケルトン住宅の状態からなので、リフォームを中心に行う工務店に近い。

设计工作室

設計事務所

中国では設計事務所が公共施設ではなく、個人住宅の受注はまだまだ少ない。
上海、北京などの大都会では増えてきている。

装饰公司

インテリアデザイン会社

家具などの設計から製造まで中心に行う会社。
中国では2000年以降こういう業態が伸びてきている。


また、中国独自の概念で、内装に関して次の分け方もあります。

中国語

日本語

定義

硬装

ハード内装

住宅のうち、壁の改造や水道電気の改造、天井・壁・床仕上げ、設備の取付など、動かせない部分の工事。

软装

ソフト内装

収納、家具、カーテンなど動かせるインテリア部分を指す。
収納と家具は日本で動かせない部分(造り付け)として扱うものが多いが、中国では動かせないものにすることは少ない。

 

業者選びから契約までの流れ

1.内装会社選び

中国で内装業者を選び方法は通常以下の方法がとられます。

  • ランキングで選ぶ。
    トップ10会社は名前がよく知られているので、直接現地のチェーン店にサイトや電話、または店舗に直接連絡します。
  • 業者が集まるサイトで3社から相見積を取る。
    中国ではこういったサイトがいくつもあります。例えば「土巴兎」というサイトでは、現場監理を第三者が行うサービスも出されています。
  • 知人友人の紹介。
  • 建材や家具を専門に扱うショッピングモールには、内装会社がテナントを出しています。
    そこへ行って、内装を相談して気に入った業者を選ぶケースもありあます。
  • 施主は費用を抑えたい、設計も省く場合は、「施工隊」(施工できる人)を探して、施工だけを依頼する。
    この場合は、ほとんど契約を結ばないし、様々なリスクが潜んでいます。

2.希望を伝える

  • 現場を見てもらって、その場で希望やイメージを伝える。業者がその場で採寸を行うこともあります。
  • 店やテナントなどで、施主の話と設計士がその場で書いた簡単なイメージ図で伝える場合もあります。
  • 今住んでいるところに来てもらって、住宅を買った際の図面を見せて、内装イメージを伝えて、プランと見積を依頼する(このケースは少ない)。

3.プラン・見積り

  • プランはスケッチや図面となりますが、中国の場合はスケッチを描くケースほとんど見当たりません。
    パソコンとソフトを駆使して、完成のイメージ図(リアルで変なイメージ図です)が渡されます。変なイメージ図と言うのは、私の目にパースもあっていないと見えて驚いがことが多かったからです。
    もちろんこう感じたのは、私がたまたま日本で建築デザインの専攻だったからかもしれません。
    中国で一般人は図面を読めないし、正確な平面図や立面図よりもイメージ図のほうが伝わるかもしれません。
  • 見積の出し方は様々ですが、ひと昔前は日本と同様に工事順で出していました。
    最近は、私には施主騙しとしか思えないけど、部屋ごとに分けて見積を出されたこともありました。

 4.契約

  • 契約書の内容について、特に変わったところはありません。
    業者と施主、それぞれの責任や違反した際の罰則をチェックして、添付の見積書については価格の明細と工事期間が記載されています。

施工の流れ

日本のリフォーム施工とほぼ変わりませんが、次の順になります。

  1. 仮設/解体工事
  2. 設備工事
  3. アルミサッシ工事
  4. 木工事
  5. 左官工事
  6. タイル工事
  7. 塗装工事
  8. 建具工事
  9. クリーニング・検収

今回はここまで。
次回よりいよいよ施工について紹介していきます。

 

弊社は、多くの土木・建築・内装関連の通訳・翻訳の経験があります!
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筆者プロフィール

北京出身。

大学進学を機に来日し、大学卒業後は日本で某大手商社に入社。学生時代も含め、通算16年あまり日本で暮らす。

現在、モシトランス北京では品質担当の責任者として、モシトランス東京では創業メンバーとして、北京と東京を行き来する忙しい日々を送っている。