いい出張でした
みなさん、こんにちは。品質担当のSです。
東京オフィスから出張で北京に来ていた社員が、昨日、無事に日本へ帰国しました。
互いのオフィスへの出張は定期的に行なっているので、特に目新しいことはないのですが、今回は新たに東京オフィスで採用した社員もいたので、互いに顔を合わせて話すことができ、とても有意義な時間を過ごせました。
さて、第6回は、第4回でも触れた話題のうち、レイアウトに特化してお話しいたします。
はじめに
先日いただいた医療機器の海外工場監査に関する原稿を例に、一部の情報を伏せて、書式(フォーマット)に関していつも気を付けている点を書きたいと思います。
どちらかというと翻訳の共通事項なので、社内外を問わず、弊社の翻訳案件に関わっているスタッフたちに徹底させたいことでもあります。
まずフォント
日本語でよく使われているフォントは、みなさんもよく目にしているはずの「MSゴシック」と「MS明朝」です。
そのため、他の翻訳者からこの2つ以外のフォントを使ったファイルが渡された場合は、毎回直しています。単に〇〇というフォントが好きだからという理由だけで、そのフォントを採用するわけにはいきません。
中国語の場合は、通常「宋体」を使うことが多いですが、PowerPointだと「黒体」または「Microsoft雅黒」を使うと、「宋体」の色の薄さが解消され、印象がよくなります。
そして字下げ
また、日本語だと「文頭は1字下げ」が一般的ですが、中国語だと「文頭は2文字下げ」という違いがあります。
翻訳する際に使う翻訳支援ツール(CATツール)のTradosやmemoQは、この違いを自動認識して修正してくれたりしませんので、毎回、納品前に手で直しています。(はい、文字通り、痺れるほどに大変な作業です。。)
具体例
では、今回の原稿を例に、具体例を見てみましょう。
今回は、「フォント」と「1字下げ」に加えて、「記号」についても工夫をしました。


どうでしょう? スッキリした印象になりませんか??
こういうことは、当然ながらお客様と相談できませんので、ここは文章のプロ(?)である翻訳者として、さらに手を加えてみました。


サブタイトルは字下げせずに、文章の文頭は1字下げ。この方が、日本人が読むときに違和感がないと思います。
というわけで、翻訳って、単に別の言語の言葉に置き換えているわけではなく、色々と考慮することがあるということが、みなさんに伝わりましたでしょうか?
ネタはまだまだありますので、この調子で書き続けますよー。
筆者プロフィール
北京出身。
大学進学を機に来日し、大学卒業後は日本で某大手商社に入社。学生時代も含め、通算16年あまり日本で暮らす。
現在、モシトランス北京では品質担当の責任者として、モシトランス東京では創業メンバーとして、北京と東京を行き来する忙しい日々を送っている。