晴れないかなぁ
みなさん、こんにちは。技術担当のTです。
相変わらず、東京はスッキリしない空模様が続いていますが、みなさんがお住いの地域はどうですか?
数年前までは雨が降らずに水不足に悩まされることが多かったかと思ったら、昨年の中国地方や今年の九州南部のように極度の大雨が甚大な被害をもたらしたり、自然というのは人間の思ったようにならないものですね。人間は自然の中で生かされているので、当たり前の話なのかもしれませんが。
さて、前回は「隔月で何回かに分けて」と思っていましたが、そんなに悠長なことは言ってられないので、できるだけ毎月、モシトランスの東京オフィスでのIT環境についてご紹介していこうと考えています。
Zoom
今回ご紹介するのは、Zoomです。
一言で言うなら、ビデオ会議のクラウドサービスです。主な特徴は、以下の通りです。
- 多少の制限はあるけど、無料版のままでもそこそこ使える。(これ、とっても大切!)
- 有料版でも月額$14.99/ホストからなので、予算の限られるスタートアップでも採用しやすい。(お財布に優しい!)
- 主催者のみアカウント登録が必要だが、参加者はアカウント登録不要で、URLだけ伝えれば事前準備なしにすぐ参加してもらえる。(これ、とっても便利!)
- インターネット回線が多少不安定でも、映像や音声が途切れにくい。(北京と東京の4拠点間中継くらいは全く問題なし!)
- 互いの手元の資料やアプリの画面を見せ合いながら、円滑に会議を進められる。(本来の目的はこれ!)
Zoomにたどり着くまでの紆余曲折
モシトランスでは、月次や週次の定例ミーティングだけではなく、突発的なミーティングでもZoomを使っており、今や欠かせない存在です。北京と東京をつなぐこともあれば、日本国内で東京と千葉と埼玉をつなぐこともあったり、社内の関係者同士だけではなく、社外のフリーランサーに参加してもらうこともしばしばあります。まさに、画面越しでのFace to Faceコミュニケーションです。
このように、今ではZoomが手放せない状態になっていますが、そんな私達も、最初からZoomを使っていたわけではありません。
東京オフィスを設立して間もない頃は、当然ながら北京オフィス主導で物事が進んで行ったので、ビデオ会議も当初はWeChatを使っていました。中国人にとってのスタンダードですし、郷に入っては郷に従えということで、言われるがままにWeChatのアカウントを作り、WeChatのチャット機能で会話をし、WeChatのビデオ通話機能でミーティングをしていました。
ですが、WeChat以外のツールを知っている日本人にとっては、全てをWeChatで行なうというのは、どうも使い勝手が良くないと感じていました。文字でのコミュニケーションと情報共有については、早い段階でYammerを紹介し、すんなりと移行してもらえました。(これについては、次回、ご紹介いたします。)
ところが、ビデオ会議は今年の5月までWeChatを使っていました。Yammerで事前配布した資料を各自のPCで開き、その横にiPhoneを立てかけてWeChatのビデオ通話機能で顔を見ながら会話するという形式です。これだと、全員が同じ資料の同じページを見ている保障がなく、iPhoneの外部スピーカー越しの声も聞き取りづらく、互いの画面を共有することもできなかったため、使い勝手は今ひとつでした。
Zoomの存在は以前から知っていたのですが、無料版だと参加者が3人以上の会議は最長40分まで(2019年7月現在)という制約が足かせでした。参加者が2人(=2拠点間での1対1の通話)なら無料版でも時間制限がないのですが、月次ミーティングは北京と東京の3拠点を中継して5人が参加し最低でも60分はかかります。
そこで、1ヶ月だけ試しに有料版を使ってもらうことで話を通しました。わずか月額$14.99/ホストとは言え、無駄なものにはお金を払わないことを徹底しているので、1ヶ月だけ使ってみて、役に立たなかったら止めましょうと。でも、一度でも体験してもらえれば、こっちのもんです。やっぱりね、便利なんですよ(笑)。
モシトランスでの用途
これをきっかけに、北京と東京の間だけではなく、日本国内においても、Zoomを使ったコミュニケーションが急に増えていきました。有料版を使い始めてまだ1ヶ月あまりしか経っていませんが、平均して週に2-3回は使っており、最も多い時は1日に3回使いました。具体的な用途は、こんな感じです。
- 各種ミーティング
- 発表者が資料やツールを画面共有しながら説明する。
- 主催者が全体スケジュールを画面共有した状態で、参加者の報告を聞く。
- 1対1の時も、議題を画面共有しながら話をし、話すべき内容を明確にする。
- ツールの操作方法の説明
- 主催者が操作している様子を画面共有しながら説明し、参加者が学ぶ。
- プロセスの確認
- 参加者が案件の対応手順と各種処理方法を画面共有しながら説明し、主催者が改善点を指摘する。
- 社内勉強会
- 講師役が資料を画面共有しながら、参加者向けに講義をする。
他のツールとの比較
ビデオ会議のサービスとして、よく比較対象に挙げられるのが、SkypeとWebExではないでしょうか。厳密に比較して初めてわかりましたが、それぞれ狙っている市場が微妙に異なることもあり、似て非なる存在です。
以下、私が調べた結果をまとめた表です。(2019年7月現在)
Zoom | Skype | WebEx Meeting (旧WebEx) |
WebEx Teams (旧Spark) |
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無料プラン | あり | あり | なし (無料トライアルあり) |
あり |
有料プラン | 月額$14.99/ホストから | なし (個人向けサービスのため) |
月額1,700円/ホストから | 月額1,700円/ホストから |
主催者のアカウント登録 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
参加者のアカウント登録 | 不要 | 必要 (電話の多地点間通話と同じ) |
必須ではない (アカウントを持っていない人はゲスト参加となる) |
必要 (事前にチームの一員として招待されている人のみ) |
アプリの事前インストール | 不要 (ブラウザーでアクセスすると初回利用時に自動でインストールされる) |
必要 | 不要 (ブラウザーでアクセスすると初回利用時に自動でインストールされる) |
必要 |
対応プラットフォーム | Windows macOS Linux iOS Android |
Windows macOS Linux iOS Android |
Windows macOS Linux iOS Android Ciscoのコラボレーション製品 ビデオ会議専用端末 他 |
Windows macOS Linux (Webアプリ) iOS Android |
画面共有 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
ビデオ会議の始め方 |
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ビデオ会議の始め方を見るとおわかりいただけるように、大きくは2つのグループに分かれています。
- 決められた時間になると、各参加者が会議室へ自発的に入室するタイプ。
- Zoom
- WebEx Meeting (旧WebEx)
- 決められた時間になると、主催者が各参加者を呼び出して参加者が応答するタイプ。
- Skype
- WebEx Team (旧Spark)
ZoomとWebEx Meetingが似た考え方なのは、ある意味当然で、Zoomの創業者はWebExがCiscoに買収される前からWebExの開発者だったのです。基本的にCiscoはEnterprise向けの製品やサービスばかりで、WebEx Meetingもかなりのハイエンド向けのサービスです。一方、Zoomはスタートアップをはじめとした小規模の組織で好まれているようです。あくまでも想像ですが、Zoomの創業者は大企業だけではなく、スタートアップのような資金力のない小規模な組織でも使えるサービスを提供したくて、Zoomを作ったのではないかと思います。
そのせいか、日本でも熱狂的なファンがいるようで、このページの最初のイラストを見て、ちょっと吹き出してしまいました。
是非、みなさんもZoomを使って、物理的に離れた人たちと頻繁にコミュニケーションを取ってみてください!
おまけ
同じ部屋で複数人が各々ビデオ会議に参加する場合、1人だけビデオ会議用マイクスピーカーを接続し、残りの人はマイクもスピーカーもオフにしておくと、ハウリングせずに相手の声が綺麗に聞き取れます。
私のオススメはJabra Speak 410です。定価は18,000円(税別)ですが、たまにヤフオク!で激安新品や良質な中古が出品されていて、私は新品を7,500円でゲットしました。
筆者プロフィール
広島出身。
大学進学を機に上京し、それ以来、ずっと東京在住のため、既に人生の半分以上が東京都民になってしまったが、広島の心は忘れていない(つもり)。
新卒で米国系IT企業の日本法人に入社した後、外資系企業を中心に何度か転職をし、現在に至る。
モシトランス東京では技術担当として、社内のIT化や体制づくりに奮闘中。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。