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[第71回] ピクトグラムと翻訳

今回のお題

翻訳プロジェクト担当のUです。

今回は「ピクトグラムと翻訳」についてご紹介いたします。

ピクトグラムとは、文字を使わずに情報伝達を目的とした、単純化された絵文字のことを指します。
(「ピクトグラフ」と呼ばれることもあります。)
代表的なものとして、非常口やトイレのピクトグラムが挙げられます。

文字に頼らず視覚的に情報を伝えるため、言語に頼りません。
文字を取り扱う私たち翻訳会社とは相反するようにも感じますが「情報を正確に伝える」という意味では目的は同じだと思います。

世界共通?

ピクトグラムは日常的に目にしますが、
 ピクトグラムは、世界的に共通なのか?
 それとも、国により異なるのか?
が気になりました。

どうやら、国際標準化機構(ISO)で標準化を図っているようですが、国、地域(自治体)、施設により異なるようです。
日本では日本工業規格(JIS)で定められていますが、「個々に委ねられている」が実情のようです。

ピクトグラムの認識

日本でピクトグラムが使われ始めたのは、1964年東京オリンピックがきっかけでした。
多くの外国人を受け入れるにあたり、言語を超えたサインが必要になったことが背景です。
その後1980年代以降、広く使われるようになりました。

ピクトグラムは、その模様・絵柄で情報を伝達します。
つまり、その地域の言語を知らなくても分かる(=言語の壁を超える)ということをゴールとしています。

ただし、見る側のバックグラウンド(文化や慣習など)に左右されることもあるようです。

例えばこの温泉のピクトグラムです。
日本の地図記号と同じ絵柄なので、日本人にとっては「温泉」だと理解できますが、外国人の中には、湯気を料理の湯気と捉えてしまい「温かい料理」などと間違える人もいるようです。

どうやら、ピクトグラムのデザイナーの主観にのみ頼ってしまうと、伝えたい情報が正確に伝わらないということが生じてしまうようです。
これは、翻訳にもおいても同じことが言えるのではないでしょうか。

翻訳は単なる言語変換ではありません。
ソース言語が使われている地域、ターゲット言語が使われる地域、それぞれの文化や慣習などを理解していなくては正確な翻訳はできません。


弊社の翻訳は単なる文字変換ではありません!
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筆者プロフィール

沖縄出身。

翻訳プロジェクトの新規開拓・提案・運用を担当しています。
進学を機に十代から沖縄を離れ、海外、名古屋、東京と転々としています。
特許事務所での経験、中国支社との連携を活かした翻訳サービスを日々思案中。