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[第57回] ローカライズ翻訳

今回のお題

翻訳プロジェクト担当のUです。

今回は、ローカライズ翻訳についてご紹介いたします。

ローカライズ翻訳とは、単に原文をそのまま翻訳するのではなく、翻訳文が使用される地域特性(文化、習慣など)を考慮した翻訳を指します。
地域特性を熟知しておく必要があるため、通常の翻訳とは異なる要素を求められると言えるでしょう。

単位の変換

以前、とある通信販売での海外輸入商品マニュアルの英日翻訳を担当しました。
アメリカの健康器具の日本国内向けマニュアルの翻訳です。
PRチラシ、組立説明書、取扱説明書など数種類ありましたが、もちろんすべてアメリカ国内向けの表現で書かれた内容です。
対象が「健康器具」といった馴染みのある商品だったので、文化に触れるような内容はありませんでしたが、計量法が異なるため単位を変換する必要がありました。

アメリカでは「ヤード・ポンド法」が使用されています。
これは日本人の私たちにとって馴染みのない計量法です。
よって、翻訳する際に「メートル法」へ変換する必要がありました。

【ヤード・ポンド法とメートル法の相関関係】

ヤード・ポンド法 メートル法
1フィート 30.48 cm
1マイル 1.609344 km
1ポンド 453.59237 g

ただ、正確に変換するとかえって分かりづらくなる事もあるため、大まかに変換する事もあります。

例えば、「時速50マイル以上」の場合、
 50マイル:50 × 1.609344 80.4672 km
を根拠に、「時速80.4672キロ以上」とするよりも、「時速80キロ以上」の方が分かりやすいですよね。

この他にも、通貨単位をドルから円へ変更したり、日時を日本時間へ変換したりしました。

話が脱線しますが、私の出身地沖縄県では、パック牛乳の容量は946ミリリットルです。
1リットルの商品もありますが、大半は946ミリリットルです。
これは、ヤード・ポンド法の体積単位「ガロン」に起因しています。
1ガロンは約3.785リットルです。)
アメリカ統治下時代に、1リットルに最も近い1/4ガロン(946ミリリットル)で販売するようになった当時の名残のようです。

地域特性にマッチした翻訳(ネイティブチェックの重要性)

私たち日本人にとっては当たり前の表現でも、他の地域にとっては違和感のある表現(タブー表現)にあたる場合があります。
翻訳文が使用される地域の事を詳しく理解する事がローカライズ翻訳ではとても大切です。
つまり、その地域の文化、習慣だけでなく、法律宗教観社会情勢流行などをどれくらい把握しているかがポイントとなります。

翻訳の際に、「書き手」(ソース言語)と「読み手」(ターゲット言語)どちらに比重を置くか?
これは、日々頭を悩ませる課題です。

ローカライズ翻訳に関しては、「読み手」(ターゲット言語)に比重が置かれます。
その際、単にターゲット言語のネイティブではなく、現地にいる情報通のターゲット言語のネイティブによる翻訳(若しくはチェック)がとても有効だと個人的には考えています。

弊社は中国拠点北京と連携して中国語翻訳に対応しております!
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筆者プロフィール

沖縄出身。

翻訳プロジェクトの新規開拓・提案・運用を担当しています。
進学を機に十代から沖縄を離れ、海外、名古屋、東京と転々としています。
特許事務所での経験、中国支社との連携を活かした翻訳サービスを日々思案中。