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中国と中国語のエキスパート

[第55回] 翻訳時のレイアウト編集

今回のお題

翻訳プロジェクト担当のUです。

今回は、翻訳時のレイアウト編集についてご紹介いたします。

翻訳作業でよくあるパターンは「ファイル上書き」です。
いわゆる、原稿データに訳文を上書きして行く方法です。

一見、
 原稿ファイルにそのまま訳文を上書きするので、訳文も原稿と同じレイアウトが保たれる
と思われるかもしれませんが、実際は翻訳によってレイアウトに崩れが生じます。

翻訳によりレイアウトが崩れてしまうのは、
 言語により文字数が異なる
ことが主な要因です。

翻訳による文字数の増減

例えば、日本語でも「平仮名だけにするか」あるいは「漢字を用いるか」で文字数が異なりますね。
 よろしくおねがいします・・・11文字
 宜しくお願いします・・・9文字

 これが、漢字のみを使う中国語になると、文字数は大幅に変わってきます。

 おおよそですが、中国語1,000文字を日本語へ翻訳した場合、日本語の文字数は約1.5倍1,500文字程度になります。
(分野により異なります)

ここから、
 中国語では一行におさまっていたが、日本語に翻訳すると一行におさまらない
 中国語では10ページだったが、日本語に翻訳すると15ページになる 等
ということが生じます。

文字数が増えることで何が問題なの?と思われるかもしれませんが、
 タイトル箇所が複数行にまたがってしまい、タイトルだと認識しづらい
 テキトボックス内で改行されてしまい、テキストボックス内の文字が隠れてしまう 等
ということが生じ、訳文ファイルが見づらくなってしまいます。

(サンプルをお見せ出来れば分かりやすいと思いますが、手元に適切なデータが無いのでご了承ください。)

翻訳時のレイアウト編集

翻訳時のレイアウト編集は、
 原稿データとなるべく同じようなレイアウトに調整する
という作業です。

原稿がWordExcelの場合は、文字数が増減しても見た目にあまり変化を感じませんが、テキストボックスが多用されるPowerPointの場合はレイアウトがかなり崩れます。

 翻訳によって文字数が増える場合(例:中国語から日本語への翻訳)
  フォントサイズ:小さくする
  テキストボックスサイズ:大きくする

 翻訳によって文字数が減る場合(例:日本語から中国語への翻訳)
  フォントサイズ:大きくする
  テキストボックスサイズ:小さくする

 上記以外にも、文字間や行間を調整して、原稿データとなるべく同じようなレイアウトに調整します。

英訳時のレイアウト編集

日本語から中国語(もしくは中国語から日本語)の場合と比べて、英訳時のレイアウト編集は結構骨が折れます。

日本語を英語に翻訳する場合、数量は2倍以上になります。
※英語は単語数(ワード数)でカウントするので、日本語1文字に対する英語は●文字と表せないので「数量」としました。また、英語は半角文字を使用するので日本語と英語の関係を文字数で表現するのは難しいです。

これに加え、単語の途中でむやみに改行することが出来ない(改行する場合は行末にハイフンを付する)ので、英訳の場合はレイアウト編集により時間を要します。

文字数制限が設けられることが多いUI翻訳では、さらに苦労します。
以前、日本語から13言語展開のUI翻訳を扱ったことがありましたが、英語を含むヨーロッパ言語にはとても苦労しました。
制限文字数内に収まるように略語を多用した結果、本来の意味が全く分からない状況に陥ってしまい、クライアント様と何度も調整を繰り返しました。


今回、レイアウト編集という視点から言語の文字数について触れましたが、身近なところでの文字数制限といえばTwitterが挙げられるのではないでしょうか。
Twitterのツイートには、半角280文字(日本語、中国語、韓国語は全角140文字)の文字数制限があります。
日本語と中国語とで考えると、
 中国語を日本語へ翻訳した場合、日本語の文字数は約1.5倍になる
ので、中国語の方が1ツイートで伝えられる情報が多いということになりますね。


話が脱線しましたが、言語により文字数が異なるので、単に翻訳するだけでは訳文ファイルの見栄えが悪くなってしまいます。
特にプレゼン資料等誰かに見せる資料では見栄えは大切ですので、翻訳時には注意が必要です。

尚、レイアウト編集には翻訳料金以外に別途料金が生じます。
(原稿のレイアウト状況により工数が異なるので、料金詳細は御見積にて提示いたします)

弊社はレイアウト編集を含む翻訳にも対応しております!
ご相談、お見積もりなど、弊社へのお問合せよりお気軽にお問合わせください!


筆者プロフィール

沖縄出身。

翻訳プロジェクトの新規開拓・提案・運用を担当しています。
進学を機に十代から沖縄を離れ、海外、名古屋、東京と転々としています。
特許事務所での経験、中国支社との連携を活かした翻訳サービスを日々思案中。