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[第53回] 在宅ワークとの付き合い方

今回のお題

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、平時と異なる生活環境・生活リズムで過ごされている方も多いと思います。
一日も早く平穏な日々を取り戻せるよう願います。
皆様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。

さて今回は、在宅ワークとの付き合い方についてご紹介いたします。

緊急事態宣言の中、在宅ワークに移行された方も多いのではないでしょうか。
テレワーク、リモートワーク、オフサイトワークなど色々な呼び方がありますが、「会社を離れた遠隔地で仕事をする」ということです。
自宅でもPCとインターネット環境を持つ方が増えた現在、
 会社を離れた遠隔地=自宅
の公式が成り立つと思います。

とはいえ、仕事とプライベートをきっちりと分ける風潮が強い日本では、なかなか「自宅で仕事をする」ことに慣れない方もいると思います。
(「自分ひとりだけの部屋(書斎)」がある家もそう多くはないと思うので、スペース的な問題もあるかもしれません)

翻訳者は、大きく分けて
 - 社内に常駐して翻訳作業にあたる方(オンサイト)
 - 在宅で翻訳作業にあたる方(オフサイト)
2つに分かれ、オフサイト翻訳者(在宅ワーカー)の方が多いです。
日常的に在宅ワークの方々とやり取りをするので、翻訳業界では在宅ワークはもはや一般的な働き方だと言えます。

ペーパーレスがスタンダード

在宅ワークへ移行して「印鑑がおせないから請求書を送れない」「メールにPDFを添付と言われても、そもそもPDFってなんですか?」といったニュースがありました。
そのうち笑い話になると思いますが、職場では紙媒体にたよる場面が多いのが現状だと思います。

もし翻訳会社が紙媒体にたよることになると大変です!
お客様から紙原稿を送って頂き、翻訳者へ紙原稿を送って作業して頂き、完成した翻訳を紙媒体で送る。。。
考えてみただけで、頭が痛くなります。

お客様と翻訳会社、または、翻訳会社と翻訳者の間での資料のやり取りは、メール添付等のインターネット経由で行うので、紙媒体が行き来する(送り合う)ことはありません。
(もちろん、万全にPCのセキュリティ対策をしていることが大前提です!)

多くの翻訳者は、作業環境としてマルチディスプレイ(1台のPCに複数台のディスプレイを接続する)環境を整えているので、翻訳作業時に手元に紙媒体を必要としません。
翻訳作業時には、
 - 原稿
 - 参考資料
 - インターネット(情報収集のために必要です)
 - 翻訳物
と複数の資料を見る必要があります。
これらの資料を1つのディスプレイ上に並べるのは、ほぼ不可能でしょう。

なので、翻訳業務では紙資料を必要とすることは、ほぼありません!
(翻訳された紙資料を成果物とする案件(パンフレット等の翻訳)では紙資料を扱いますが、また別の機会にご紹介いたします)

では、通訳業務の場合ではどうでしょうか。

スムーズな通訳を行うためには、関連資料の事前の読みこみがとても大切です。
通訳者は「ぶっつけ本番」で通訳現場に挑んでいるワケではありません。
どんなに言語が堪能であっても、初めて聞く言葉をすぐに通訳(言語変換)するのは極めて困難です。
通訳の背景、意図、その業界特有の言い回し方等を事前に把握していないと、スムーズな通訳は出来ません。

なので、通訳者は本番(通訳実施日)前に、関連資料を読みこみます。
その際に、メモを書き込んだりするので、資料を紙出力(プリアントアウト)することが多いです。
ページ数が少なければ、通訳者自身でプリントアウトして頂きますが、資料が数十ページにも及ぶ膨大な量の時には、私たち翻訳会社がプリントアウトして紙資料を通訳者へ送付することもあります。
(お客様によっては、ご依頼時に通訳者分の紙資料もプリントアウトしてご提供くださることもあり、とても助かります!)

タブレット端末の普及により通訳時の紙資料も減少して行くかもしれませんが、通訳業務では紙媒体が必要というのが現状です。
ちなみに、ウェブ会議システムの普及により、現場に行かない通訳(在宅による通訳)も増えてきました。

文字だけでもコミュニケーションはとれる!

私の経験上、一度もお会いしたことが無いお客様、パートナー(翻訳者・通訳者)が多数います。
なかには電話ですら話したことが無い方もいます。

原稿をデータでやり取りし合うので、翻訳業界では距離の概念が希薄だと言えます。

極端ですが、
 データ(メール添付等)でやり取りする
    ↓
 メール文で連絡し合う
    ↓
 直接会う/話す必要が無い
ということになります。

そうなると、たとえ物理的に近くにいても「直接会う」という発想が無くなります。
もちろんFace to Faceのコミュニケーションも大切ですが、話題が脱線してしまい、結局何の目的で会ったのかが分からなくなることもあります。
挙句の果てには、別れ際に「じゃあ、後で要件をメールで送ってね」となることもしばしばです。

コミュニケーション手段を「話す」と「書く」の2つの分けた場合、

手段 アウトプット 情報
話す 早い 残りにくい
書く 遅い 残る

とそれぞれにメリット・デメリットがあると思います。

 話す:その時に思いついたことをすぐに伝えられるが、その人の記憶にたよるので情報が残りにくい
 書く:情報をまとめるのに時間がかかるが、情報が残るので忘れることがない

こう書いてしまうと「メールだけで要件をすませて、なんてドライな人だ!」という印象を持たれるかもしれませんが、情報が歪曲しないので、仕事上では「書く」ことで十分だと言えるのではないでしょうか。


外出自粛が続く今、人と会えないストレスを抱える方は多いと思います。
ただ、インターネット環境が整った現在では、
 - メール
 - SNS
 - Web会議システム
など様々なツールを自宅で利用することができます。
これらを上手に活用すれば、たとえ離れていても人とのコミュニケーションは十分にとれるのではないでしょうか。

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筆者プロフィール

沖縄出身。

進学を機に十代から沖縄を離れ、沖縄県外での時間の方が長くなりました。(海外、名古屋、東京)
夏になると帰省したい気持ちが強くなります。ここ数年実現出来てないので「今年こそ、夏は島へ帰る!」と意気込んでいます。

翻訳プロジェクトの新規開拓/提案/運用を担当しています。
特許事務所での経験を活かした翻訳サービスを日々思案中。