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[第68回] 中国の住宅事情(2)

連載企画「中国の住宅事情」の第2回目です。

前回は、中国でどんな住宅があるのかをご紹介しましたが、今回は一般的なマンションはどのような建築構造で作られているかについて調べました。
(以下は中国語のネットから情報を集めました。)

建物の構造

中国語

ピンイン

日本語

砖混结构

zhuān hùn jié gòu

レンガコンクリート造

框架结构

kuàng jià jié gòu

フレーム構造

钢架结构

gāng jià jié gòu

スチールフレーム構造

框架-剪力墙

kuàng jià - jiǎn lì qiáng

フレームシェアウォールせん断壁

木质结构

mù zhì jié gòu

木造

1.レンガコンクリート造
1)レンガコンクリート構造とは、建物の縦方向の耐力壁にレンガまたはブロック用いられ、構造柱及び横方向の耐力梁、スラブ、屋根パネルなどに鉄筋コンクリート構造を用いることをいう。つまり、一部を鉄筋コンクリートで支え、大部分はレンガ壁で支えられている構造である
(2)部屋の奥行きがあまりなく、部屋の面積が小さく、多層や低層マンションに適している。中国では2000年までにつくられた建物によく見られる構造である。

2.フレーム構造1)フレーム構造とは、梁と柱が鉄筋でつながり、耐力構造となっている。梁と柱からなるフレーム水平荷重と垂直荷重の両方を受ける。
2)フレーム構造の場合、壁は耐力性を持たず、囲む、仕切るの役割しか果たさない。通常の場合、壁は軽質材料で作られているため、撤去は可能。

3.スチールフレーム構造1スチールフレーム構造はスチールからなる構造であり、H形鋼や鋼板などで梁、柱、トラスなどの部材が造られる。
2工場や体育館などの施設、または超高層ビルに広く使われるコストが高いため、住宅にはあまり用いられない。

4.フレーム-シェアウォール(せん断壁)1)フレームとせん断壁でできた構造である。フレーム構造に一定数のせん断壁を配置する。自由度の高い空間が作りやすいだけでなく、剛性にも優れている。
2現在のマンション建築によくみられる構造である。

5.木造1)木造は木材をメイン材料とした構造である。木材の加工は簡単で、搬送、撤去しやすく、何度も再利用ができるため、住宅や橋、塔のフレームによく使われる。
(2)中国は国土に対する森林率が低く、木材は乏しい。ごく一部の山地や農村部で木造住宅が見られる。

なぜフレームせん断壁構造なのか?

個人的には、日本のように家に柱と梁があったほうが、空間作りが面白くできるだと思っています。
しかし、中国のマンションは壁ばかりで面白くないと思います。
なぜ壁構造が多用されるか、不思議に思い調べてみましたが、面白い答えがいくつみつかりましたので、ご紹介します。

出典URL:https://www.zhihu.com/question/31538230/answer/68793981
以下、
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 青字:私のコメント
で表示します。

設計上の経済性。せん断壁構造は設計しやすく、簡単に図面を書ける。スピードを要すが、設計費がほとんどない時代に、設計士は一番簡単な方法しか選べません。
これは真っ先に想像した理由だったので、思わずうなずく

フレーム構造に優れた耐震性を持たせるためには良質な材料が必要。中国の開発業者も施工業者もそのような出費を抑える傾向にある。一方、日本のフレーム構造は減震装置が加えられているが、中国の減震技術レベルはまだまだ足りないのが実情(日本から少し学んだが、その真髄を分かっていない)。それに減震技術はコストが超高いので、フレーム構造だけでは高層マンション作れない。
へえ、そうなんですね

フレーム構造の場合は、A)柱があると、家具を置きにくい。B)構造は壁に隠したせん断壁構造に対して、フレーム構造にすると、柱が面積を取ってしまうので、利用率が下がる。C)梁が室内にあると、そのぶん高さが低くなる。空間の高さや見た目、風水的にもよくない。D)以上のことはレイアウトを工夫すれば解決できるが、開発業者間の競争が激しいため、そういうことはやってられない。そのため、部屋のサイズも既存の家具製品によって決められている。完璧な間仕切りなどはないが、変に常識から外れたレイアウトをすると、消費者は選びません。
AとBはよく意味が分かりません。Cは笑える。Dは悲しい現実ですね

超高層ビルを建てる際には、どうしても柱が大きくなる。オフィスの場合はよいが、住居の場合は室内に大きな柱があると邪魔でしかたがない。
これは完全にセンスの問題でしょうか?柱があるから美しいと思う人はいないのかな

中国人は四方形の空間が好き。風水上も、空間に柱や梁などの出張りなどがあるとよくない。
でもさ、古建築のほうが柱も梁も多いよね。古建築のほうが風水で決めることが多くありませんか?

北京や上海などの都市部で、1平米の単価はとても高い。柱みたいな居住スペースとして使えない面積は、消費者は選びません。
あのね、せん断壁構造は、柱よりも面積を取っているのですよ!出張が見えないから空間を最大限に使えるという考えはちょっと違うのでは?

以上、他にも色々な答えがありましたが、最終的に理解したのは、人口の多い国で、たくさん数や階のマンションを安く、早く、安全な等を考慮した上、フレーム-せん断壁が優れているという感想です。 

私のような空間を自由にいじりたい人は、家を一から建てることですね。無理ですけど!

では、また次回。

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筆者プロフィール

北京出身。

大学進学を機に来日し、大学卒業後は日本で某大手商社に入社。学生時代も含め、通算16年あまり日本で暮らす。

現在、モシトランス北京では品質担当の責任者として、モシトランス東京では創業メンバーとして、北京と東京を行き来する忙しい日々を送っている。