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[第37回] スタートアップのIT事情 プロジェクト管理編(2)


東京モーターショーの季節です

みなさん、こんにちは。技術担当のTです。

2年に一度の車の祭典、東京モーターショーが開催されています。連休最後の11月4日が最終日なので、あと数日ですね。私は車好きということもあり、過去に何度か行った事がありますが、会場で見た車が記憶の奥深くに残り、何年も経った後でその車を買っていたことがあります。

そんな思い出もある東京モーターショーですが、今回は輸入車の出展がほとんどないんですよね。これは日本に限ったことではなく、世界最大級の出展規模を誇っていたドイツのフランクフルトモーターショー2019でも出展メーカー数が激減しており、車好きとしては寂しい限りです。

さて、今回は各プロジェクトでの案件管理に使っているサービスをご紹介いたします。

board

今回ご紹介するのは、boardです。

様々な機能を持っており、一言で言い表すのは難しいのですが、我々にとっては受発注案件管理ツール、兼、各種帳票作成ツールです。主な特徴は、以下の通りです。

  • 受注案件に紐づく発注案件を登録でき、案件ごとに収支を管理できる。(翻訳業界待望の機能!)
  • 各案件の受発注に関する進捗状況を簡易的に管理できる。
  • 各案件の請求や入金、支払いに関する進捗を管理できる。
  • 受注に必要な、見積書、発注書・発注請書、納品書・検収書、請求書、領収書を発行できる。
  • 発注に必要な、発注書・発注請書を発行できる。
  • 売上分析やキャッシュフローの予測も簡易的ながらできる。

きっかけは帳票テンプレート

まだ、会社の仕組みがほとんど整っていなかった頃、取り急ぎ、見積書や発注書のテンプレートを用意しようということになり、ネットでいろいろと探していた時のことでした。偶然にもシンプルできれいなデザインの発注書のテンプレートを見付けたので、ファイルをダウンロードしようとしたところ、ファイルでは提供されておらず、boardのテンプレートの紹介でした。これがboardとの出会いです。

最初は「なんだ、有料のサービスかぁ」と思いましたが、機能の説明を読むうちに、「案件単位で情報を管理するのがboardの特長」という一文に目が留まりました。以前に勤めていた会社も含め、10年以上も前から求めていた機能に出会った瞬間です。

案件単位で管理するとは?

通常の翻訳案件では、実際の翻訳や校閲は、個人の翻訳者さんに発注することが多いです。これだけ読むと、単に丸投げしてるだけなのかと誤解されそうですが、そうではありません。翻訳会社は、お客様との打ち合わせを通じてご要望を引き出し、お客様から受け取った原稿を基に翻訳できる状態にファイルを加工し、品質に関する仕様と共に翻訳対象ファイルを翻訳者さんに渡して、翻訳や校閲を行なっていただきます。

このように、一般的には翻訳会社が社内で翻訳や校閲をすることはそれほど多くないので、特定の受注案件に紐づく発注案件が発生するわけです。例えば、こんな感じです。

  • [受注 #101] 中日翻訳案件 株式会社Aさま
    • [発注 #101-1] 中日翻訳 翻訳者Xさん
    • [発注 #101-2] 中日校閲 校閲者Yさん

この例だと、[受注 #101]に[発注 #101-1]と[発注 #101-2]が紐づいていますが、このように関連性のある受注案件と発注案件と紐づけた状態で管理していきたいのです。

これは、IT業界でのシステム開発や、建設業界における建設工事と似ていると思います。ここでいう案件とはプロジェクト(=期間の定めがある)のことだと捉えた方がわかりやすいかもしれません。当然のことながら、スケジュール管理も収支の管理も、案件単位に行ないたいわけです。

一般的な受発注管理システムだと

ところが、受発注管理システムというと、在庫を持つ物販を前提にしたものばかりで、受注案件と発注案件を紐づけて管理できるものは、ほぼありません。ある商品を100個仕入れて在庫が増え、そのうちの34個が売れたから在庫から減ったという感じで、そもそも案件という概念がないシステムが大半です。

以前に勤めていた会社では、市販のいいシステムがなかったので、翻訳案件を管理するためのシステムを自前で作りました。翻訳業界でしか使われない概念であれば、ニッチ業界だし仕方ないかと諦めますが、IT業界でも使われる概念なのに、どうして世間には受注案件と発注案件を紐づけて管理できるシステムがないのだろうかと疑問を持ち続けていたので、boardに出会った時はこの喜びを誰にどうやって伝えようかって感じでした(笑)。

デザインも秀逸

UIはシンプルかつ使いやすいと感じていますが、各種帳票類もシンプルかつ美しいのが特長です。是非、洗練された帳票類のデザインテンプレートをご覧ください。

無料お試しは30日間

月額利用料金も良心的ですし、無料お試しは30日間ありますので、自社への導入を前提とした各種確認に充てるには充分だと思います。

翻訳業界のみならず、IT業界の方にも、是非ともお試しいただきたいのが、boardです。

筆者のつぶやき

中国には、今のところ、このようなサービスはなさそうです。
中国向けにローカライズしたら、瞬く間に広まると思うんですけどねぇ。
ヴェルクさん、一緒に中国市場に進出しませんか??

筆者プロフィール

広島出身。

大学進学を機に上京し、それ以来、ずっと東京在住のため、既に人生の半分以上が東京都民になってしまったが、広島の心は忘れていない(つもり)。

新卒で米国系IT企業の日本法人に入社した後、外資系企業を中心に何度か転職をし、現在に至る。

モシトランス東京では技術担当として、社内のIT化や体制づくりに奮闘中。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。