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[第32回] スタートアップのIT事情 コミュニケーション編(3)


秋だ!

みなさん、こんにちは。技術担当のTです。

東京は朝晩がかなり過ごしやすい気温になり、日中も日差しが気持ちいいくらいになってきました。夏のジメジメ感もなくなり、からっと乾いた空気がとても気持ちよく、私にとってはいい季節になりました。

さて、今回はモシトランスの電話事情をご紹介いたします。

クラコール

今回ご紹介するのは、クラコールです。

一言で言うなら、法人向けのクラウド型PBXサービスです。主な特徴は、以下の通りです。

  • ビジネスホン設備を用意しなくても、スマホだけで同じようなことを実現できる。
  • 固定電話回線を引かなくても、固定電話の番号* を使える。
  • スマホから固定電話の番号で発信できるし、固定電話の番号をスマホで受信できる。
  • 保留転送、留守電機能、営業時間外アナウンスなど、基本機能も充分。
  • 各種設定変更を自分たちで簡単に出来る。

* 地域番号が使えるのは、東京03、千葉043、川崎044、横浜045、さいたま048、名古屋052、大阪06、のみ。(2019年9月30日現在)

固定電話の導入って面倒なんですよね

会社の規模を問わず、日本で事業を展開するとなると、ネット環境が充実した現在も、電話は必須だろうと思います。独り暮らしの若者を中心に、一般家庭では固定電話を持たない世帯が増えていますが、法人では固定電話を持っていないと信用力がやや下がってしまうため、個人事業主でもない限り、通常は固定電話を契約します。

固定電話を契約するとなると、電話会社(NTTか否か)や回線種別(メタル回線か光回線か)を問わず、必ず回線設置工事が発生するため、なかなか面倒ですし、使えるようになるまで時間がかかります。

また、従業員が数名の零細企業であれば、家庭用コードレス電話機でもなんとかなるかもしれませんが、ある程度の人数になると、内線間での保留転送ができるビジネスホンが必要になってきます。ところが、ビジネスホンを導入するとなると、専用機器の選定と導入が必要になりますし、主装置とセットの専用電話機しか使えないため、組織の規模の変動に対して対応しづらいという難点がありました。

おまけに専用機器は高価(主装置と電話機3台が工事費込みで20万円程度!)だし、その設定も利用者が気軽に行えるものではないため、どうしても業者頼りにならざるを得ず、電話問題はなかなか頭が痛い課題でした。これまで、数社の電話環境を構築運用した経験がありますが、柔軟性に欠けるし割高感を感じることばかりでした。メーカー保証が切れて何年も経つのに、何人の社長に「そのまま使うか」と言われたことか。。

ところが、今となっては、そんなのは昔話です。

クラウドPBXの時代

今や、小学生からご年配までスマホを持ち、いろんなものがクラウド化されてSaaS (Software as a Service)として提供されるようになりました。ビジネスホンで必要とする機能は、クラウドPBXとして提供されるようになり、高価な専用機器を導入する必要がなくなりました。

そう、スマホと組み合わせることにより、簡単にビジネスホンの機能を実現できるようになったのです。

クラウドPBXで検索すると、いろんな会社が似たようなサービスを提供しています。ところが、よく調べると、肝心なところで制約があったり、思ったより費用が高かったりと、なかなかしっくりくるものがありませんでした。

そんな中、私たちはクラコールを選びました。利用者から見た時の構成図と共に、基本的な機能をご紹介しましょう。

固定電話の番号での受信

ご覧のように、固定電話の番号宛にかかってきた電話を、予め設定しておいた任意のスマホで受信することができます。スマホがネットにつながっていれば、場所は問わないので、外出先でも固定電話の番号宛にかかってきた電話を取ることができます。

もちろん、一度電話に出た後で、他の内線に保留転送することもできます。

[受信時の説明図]

固定電話の番号での発信

スマホから外線発信すれば、予め設定された固定電話の番号で発信されます。なので、電話を受け取った相手は、通常の固定電話からかかってきた電話と区別がつきません。

[発信時の説明図]

内線通話

もちろん、内線通話も可能です。

[内線通話の説明図]

ちょっと技術的な話をすると

いきなり難解な技術用語で申し訳ないのですが、要するにSIP準拠のVoIPなんです。なので、スマホにはSIP対応アプリのインストールが必要です。また、スマホじゃなくてSIP対応の固定電話機を使ってもいいわけです。

そして、クラコールがPSTN(=従来からある電話網)とのブリッジになっており、まさに、従来のPBXの機能を、クラウド経由で提供してくれているわけです。いやぁ、本当に便利な時代になりました。

スタートアップにこそクラコール

NTTの固定電話だと、電話局ごとに市内局番が決められていて、別の電話局のエリアに引っ越すと、電話番号が変わってしまいます。(例えば、東京都港区だけでも電話局が5つもあり、隣の駅に引っ越しただけで電話番号が変わることもあります。)

ところが、クラコールで固定電話の番号を取得すると、市外局番が同じエリア内であれば、どこに引っ越しても電話番号は変わりません。(例えば、東京03の番号を取得すると、東京23区内ならどこに引っ越しても電話番号が変わりません。)

特に成長しているスタートアップだと、一般的な企業よりも引っ越しの頻度が高いでしょうから、電話番号が変わらないというのは、非常に魅力的です。また、引っ越しする度に設定変更をする必要もなく、そのまま使い続けることができます。

さらに、価格も良心的で、むしろ、通常の固定電話回線よりも安いくらいです。2019年5月には、基本料金が大幅値下げされ、6ユーザー目以降の基本料金は無料となり、基本料金の上限は4,900円になりました。料金に関しては、大規模な組織ほど、コスト削減効果が大きいと思います。

いかがですか? あなたの会社にもクラコール


筆者プロフィール

広島出身。

大学進学を機に上京し、それ以来、ずっと東京在住のため、既に人生の半分以上が東京都民になってしまったが、広島の心は忘れていない(つもり)。

新卒で米国系IT企業の日本法人に入社した後、外資系企業を中心に何度か転職をし、現在に至る。

モシトランス東京では技術担当として、社内のIT化や体制づくりに奮闘中。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。