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株式会社モシトランス
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[第27回] スタートアップのIT事情 コミュニケーション編(2)


秋はすぐそこ?

みなさん、こんにちは。技術担当のTです。

ここ1週間余り、東京の天気は1日の中で目まぐるしく変わる日が続いています。晴れていたかと思ったら、突然に局所的な激しい雨に見舞われたり、それも短時間で止んで、また晴れ上がったり。先週は気温も少し下がり、曇り空であれば、かなり過ごしやすくなってきました。来週から9月になりますが、もう暑さのピークは過ぎたのでしょうかね?

さて、今回はモシトランスにおいて、これがないと仕事にならないという筆頭格のサービスをご紹介いたします。

Yammer

今回ご紹介するのは、Yammerです。

一言で言うなら、法人向けのSNSです。主な特徴は、以下の通りです。

  • 無料のままでも充分過ぎるほど使える。(これ、とっても大切!)
  • 基本的な機能は、ほとんど説明なしでも使えてしまう。
  • フロー型とストック型の両方の情報に対応している。(後で説明します。)
  • というわけで、議論が進みやすくなるし、情報共有もしやすくなる。

[Yammerの画面]

少し過去を振り返ると

私がYammerを使い始めたのは2011年5月からなので、もう9年目になります。基本的な機能やUIは、あまり変わっていませんが、当時はよくTwitterFacebookを足して2で割った感じと私は紹介していました。ま、それぞれのいいとこ取りをして、法人向けに練り直したような感じです。

2012年にMicrosoftに買収されましたが、長年、Microsoftの製品やサービスとの融合もなく、割と独立した感じでした。ところが、ここ2年くらいで急激にMicrosoftとの融合が進んだような印象があり、今ではOffice 365の1サービスとして組み込まれています。(でも、Office 365を使っていない人も、無料で使えます。)

基本は同じ会社の人と使う

さて、昔話はこれくらいにして、Yammerで何ができるのかを説明しましょう。

法人向けSNSということもあり、同じ会社の人とコミュニケーションを取ったり情報共有することを前提にして設計されていて、基本は同じ会社の人と使うためのサービスです。正確には、メールアドレスのドメイン(xxxx.co.jpとか)が同じ組織の人と使うためのサービスです。一応、機能的には他のドメインの組織の人とも使えるようになっていますが、同じ組織の人とのコミュニケーションが大前提になっています。

また、法人向けSNSなので、個人同士のつながりは想定していないようです。そのため、フリーメールのアドレス(例えばGmail等)で登録しようとすると、見事に拒否されます。

操作自体は簡単

昔と違い、今やSNSは巷にあふれているので、大抵の人は、LINEなりTwitterなりFacebookなり、何らかのSNSを使っていると思います。なので、何かしらのSNSを使った経験がある人なら、ほぼ説明なしで使い始めることができます。

要は、誰かが最初に投稿し、それに他の人が返信する。基本操作自体は、それだけです。

Facebookのように投稿した単位で独立したスレッドになるので、LINEやWeChatのように単一のスレッドに複数の話題がごちゃごちゃになって会話が進むようなことはありません。また、Facebookと異なり、最後に返信されたスレッドがタイムラインの先頭になるため、誰かが返信をしたスレッドが常に先頭に浮上してきます。これはかなり便利です。

やはり情報の交通整理係が必要

とは言え、上手に使うには、適切なグループを作ったり、適切なグループに投稿させるように促す、情報の交通整理係となるキーパーソンが必要です。そのあたりのノウハウを持った人がいない組織で、いきなりYammerを導入すると、おそらく、次に何をすべきかが全く分からないと思います。真っ白いキャンバスと絵具だけ渡されて、ご自由にどうぞと言われてもねぇ、、、、って状態です。

私自身は、モシトランス入社前に2社でYammerの導入を経験したので、今回は3社目の導入になります。それもあって、最初の時点で「こんなグループが必要になるだろうな」という近い将来をイメージすることができました。そのせいか、Yammer初体験の社員にも、割とすんなり受け入れられました。

ちなみに、モシトランスでの導入時には、以下のグループを用意しました。

  • 営業
  • 財務
  • 経理
  • 人事
  • ITインフラ
  • Web
  • FYI
  • 雑談
  • その他
  • Yammerの使い方

その後、特定のお客様やプロジェクト用のグループを追加していき、今では20を超えるグループができてしまいました。グループが増えすぎると、それはそれで使いにくくなってしまうので、このあたりのさじ加減は永遠の課題です。

フロー型とストック型の両方の情報に対応

私がYammerを気に入っている大きな理由の1つが、フロー型とストック型の両方の情報に対応している点です。フロー型とストック型の情報というのは、私の造語なので、少し説明します。

  • フロー型の情報
    • 時間の経過と共に流れて消えてしまっていいもの。
    • 例) 「これから外出します」「x月x日に休暇をいただきます」
  • ストック型の情報
    • 蓄積して後から参照する可能性のあるもの。
    • 例) 手順書や議論など

法人向けSNSというと、世間的にはSlackChatworkがもてはやされているようですが、私の定義だとどちらもフロー型で、ストック型の要素が希薄です。コミュニケーションに特化しているとも言えますが、真の意味での情報共有にはなっていないと個人的には感じています。

これは、あくまでも個人的な印象ですが、SlackのUIには馴染めませんでした。うまく表現できないのですが、欲しい情報を探しづらいというか、表示された文章が読みづらいというか、すんなりと頭に入ってきませんでした。UIに関しては、Yammerの方が洗練されているように思います。

また、Yammerに比較的近いものとして、Zoho ConnectというややマイナーなSNSがあります。機能的にはYammerにも実装してほしい機能を持っているものの、いかんせんUIが今一つで、かつ、機能が多過ぎるために、どの機能を使えばいいのかがわからず、直感的に使えないというのが致命的です。インドの会社が開発したSNSなのですが、インド人はこういうデザインが好きなのかなぁなんて、勝手な想像してます。

最後に

モシトランスは北京オフィス東京オフィスが連携して仕事を進めていく必要があり、毎日、Yammerで会話をし、かつ、情報共有を行なっています。

もし、未だに社内の連絡をメールで行なっていたり、既存の法人向けSNSに何らかの不満を抱えている組織は、是非、老舗SNSのYammerを試してみてください。


筆者プロフィール

広島出身。

大学進学を機に上京し、それ以来、ずっと東京在住のため、既に人生の半分以上が東京都民になってしまったが、広島の心は忘れていない(つもり)。

新卒で米国系IT企業の日本法人に入社した後、外資系企業を中心に何度か転職をし、現在に至る。

モシトランス東京では技術担当として、社内のIT化や体制づくりに奮闘中。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。