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[第51回] 中国の祝日と沖縄の行事

今回のお題

今回は中国と沖縄の関連性についてご紹介いたします。

明日(44日)は、私の故郷沖縄で「清明祭(シーミー)」という伝統行事の日です。
聞きなれない方も多いと思いますが、先祖供養の行事で、いわゆるお墓参りの日です。

同日44日は、中国では「清明日」にあたります。
(これに伴い、中国は43日(土)~46日(月)は3連休です)

沖縄には日本本州にはない地域独自の行事がいくつかあり、その多くは中国文化に起因しています。
日本本州よりもずっと前に中国との外交をしていたので、中国文化の影響を大きく受けた地域といえます。
(例えば、首里城の建築様式には、中国色が色濃く見られますよね。)

細かい文化の話だと肩がこるので、今回は「中国の祝日」と「沖縄の行事」という観点から、中国と沖縄との関係に触れてみたいと思います。

中国の祝日

中国の祝日には、
 - 元旦
 - 春節
 - 清明節
 - 労働節
 - 端午節
 - 中秋節
 - 国慶節
7つの祝日があります。

それぞれの日付は、
 元旦、労働節、国慶節・・・日付固定
 春節、端午節、中秋節・・・旧暦(農暦)に基づいて日程が決まる
 清明節・・・太陽の位置によって日程が決まる(毎年44日~46日の範囲内)
です。

7つの祝日と沖縄の行事の関係

  1. 元旦
    いわずもがな、西暦(グレゴリオ暦)の11日のお正月です。
    世界共通なので、中国/沖縄での独自性はありませんね。

  2. 春節(チュン ジエ)
    中国:124日~130
     中国は旧暦で正月を祝います。
     2020年の旧暦11日は西暦の125日なので、旧暦の大晦日(124日)から7連休(130日まで)になります。
     ただ今年は、新型コロナウイルスの影響で、22日まで春節の休暇期間が延長されました。

     
    沖縄の行事:旧正月(125日)
     糸満市など漁港がある地域や、農村部の地域などの一部地域では、旧暦の正月を「旧正月」と称して盛大に祝います。
     会社や学校は平常通りですが、旧正月を祝う風習が残っている地域では、個人経営のお店は閉まっているところもあります。
     ちなみに、子供たちは西暦の1月1日と、旧正月の両方でお年玉をもらえるらしいです!

  3. 清明節(チン ミン ジエ)
    中国:44日~46
     2020年の清明日は44日(土)です。
     翌週月曜日(46日)を振替休日とし、3連休です。
     「清明」は、中国の二十四節気のひとつで、春分の日から15日後にあたる中国の祝日です。
     当日は、お墓参りや宴会をして、先祖を思いながら食事を楽しむようです。

    沖縄の行事:シーミー(44日)
     冒頭でもお伝えした通り、「シーミー」というお墓参りの日です。
     行事としては中国と同じように思われます。
     諸説あるようですが、中国語読みの「チンミン」がなまって「シーミー」と呼ばれるようになったとか。
     (私には同じ音には聞こえませんが。。。)

  4. 労働節(ラォ ドン ジエ)
    中国:51日~55
     労働者の日です。
     いわゆる「メーデー」で世界約80ヶ国でも設けられている日です。
     様々なお祝いの集会や、スポーツイベントも開催され、国や社会のために貢献した人を表彰したりするようです。

    沖縄の行事:
     いわゆるゴールデンウィークで、沖縄独自の行事はありません。

  5. 端午節(ドゥアン ウー ジエ)
    中国:625日~627
     旧暦の55日にあたる日です。
     一見「日本の端午の節句(55日)と同じで、こどもの日?」と思いましたが、違うようです。
     端午節は、古代中国の楚の政治家である屈原の供養祭に由来しているそうです(諸説あります)。
     屈原の命日(入水自殺したとされる日)である旧暦55日に、近くの漁民たちが入水した屈原を助けようと竜や魚に襲われないようにドラや太鼓を打ち鳴らして船を出したという伝承から、端午節にはドラゴンボートレースが開催されます。
     ちなみに、中国でのこどもの日は61日で「児童節」と呼ばれます。

    沖縄の行事:ハーリー(旧暦54日)
     「ハーリー」と呼ばれるドラゴンボートレースにそっくりな伝統漁船のレースが開催されます。
     沖縄県内の数か所で開かれ、那覇市の「那覇ハーリー」、糸満市の「糸満ハーレー」が有名です。
     (糸満市では「ハーレー」と呼ばれます)
     那覇ハーリーは5月のゴールデンウィーク期間に開催されますが、糸満ハーレーは旧暦5月4日に開催されます。
     諸説ありますが、中国の屈原の慰霊行事(ドラゴンボートレース)に紐づくようです。
     個人的には、日付からも中国の端午節とのつながりが濃厚だと思います。
     (あくまで個人的見解です!)

  6. 中秋節(ジョン チュウ ジエ)
    中国:101
     旧暦の815日にあたる日です。
     月を祭り(月見)、月餅を食べる慣習があるようです。

    沖縄の行事:
     いわゆる十五夜です。
     日本本州では月見団子をお供えしますが、沖縄では吹上餅(フチャギ)をお供えします。

  7. 国慶節(グォ チン ジエ)
    中国:101日~108
     国の成立を記念する祝日です。
     例年、101日~7日の7連休になります。
     2020年は中秋節と日程が重なるため、あわせて8連休です。

    沖縄の行事:
     特になし。

沖縄県の人でも、家庭環境や住んでいるエリアによっては、上述の「沖縄の行事」にあまり親しみのない人もいます。
ただ、沖縄は中国文化と近代日本文化とがミックスされている地域です。
ひょっとすると、そんな地域性もあり中国からの観光客が多いかもしれません。

新型コロナウイルスの影響で、渡航制限・入国制限が実施されています。
中国では、明日(4月4日)10時に全国的な哀悼行事が開かれます。
一日も早く平穏な日々を取り戻せるよう願います!


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筆者プロフィール

沖縄出身。

進学を機に十代から沖縄を離れ、沖縄県外での時間の方が長くなりました。(海外、名古屋、東京)
夏になると帰省したい気持ちが強くなります。ここ数年実現出来てないので「今年こそ、夏は島へ帰る!」と意気込んでいます。

翻訳プロジェクトの新規開拓/提案/運用を担当しています。
特許事務所での経験を活かした翻訳サービスを日々思案中。